Up 記述対象の拡散 作成: 2013-09-17
更新: 2013-09-17


    「形式」として記述しようとする対象は,捉えようとするほど,拡散して捉えられなくなる:
      形式の構成要素の連関が拡がる・連関の密度が高くなる。
      これは,形式の要素が増えることである。
      最初注目していた要素が,この中でその姿をますます小さくし,薄くし,そして見えなくなる。

    「見えない」は,「無用」に通じる。
    拡散した形式では,構成要素は個々には「無用」(「無くてよい」) のふうになる。
    しかしこの「無用」は,「無用」だからといってこれを除けば,形式そのものが無くなってしまうというものである。 即ち,この「無用」は「無用の用」である。
    拡散した形式の記述は,「無用の用」の記述である。


    「記述困難」の構造の一つとして,ここではつぎのことを示唆した:
      《形式は,捉えようとするほど,拡散して捉えられなくなる。
       拡散した形式の記述は,「無用の用」の記述。》