Up 学校数学における 「形式」概念の必要:要旨 作成: 2013-07-23
更新: 2013-09-08


    本論考の主題の「形式」は,どこから出てくるか?
    「形式陶冶」である。
    「形式陶冶」は,どこから出てきたか?
    数学の勉強は何のため?」の問いである。


    (1) 学校数学の勉強の「得」を「数学ではないもの」にする必要

    学校数学を「勉強する者すべてに得がある」ものとして立てようとするとき,その「得」は「数学の実用」とはできない。
    「数学ではないもの」にしなければならない。
    この「数学ではないもの」として,「形式」が立てられる。
    これは,「形式」概念の消極的理由である。


    (2) 学校数学を「形式陶冶」で理由づける

    学校数学の勉強の「得」は,「形式」にするのみである。
    これは,学校数学は「形式陶冶」で理由づけるのみということである。


    (3) 「形式」が,学校数学のゴール概念になる

    学校数学は,自身の理由づけに「形式」の概念を必要とする。
    一方,学校数学は,「人づくり」であるとされ,そしてゴール概念の「人」は「形式」のことばで述べることになる。
    ここに,学校数学における「形式」概念の二通りの意味が,合わさる。
    この合着は,「学校数学=形式陶冶=人づくり」として,「形式」が学校数学のゴール概念になるということである。
    「学校数学=形式陶冶」の措定は,「人づくり」がこれの意味なので,申し分ないものということになる。