Up 現象パターン 作成: 2014-09-20
更新: 2014-09-20


    マクロ現象の捉えは,それのパターンの捉えである。
    マクロ現象には共時的と通時的がある。 これに対応して,パターンには共時的と通時的がある。

    パターンとして見えているものは,系のその都度の均衡相である。
    系の現前は,系のその都度の均衡相である。
    マクロ学は,これらパターンの抽出と,パターン現出のダイナミクスの捉えを,主題にするものである。

    ここで「パターン」の語は,「形」に置き換えられない。
    「形」は「骨格」である。
    マクロ現象は「雲」であり,「骨格」をもたない。

    では,「雲」はどんな捉えになるかというと,<個>の近接の捉え (数学の概念を用いれば,トポロジカルな捉え)になる。
    「雲」は,要素間の関係が,<捉えられるもの>である。

    複雑系科学は,これを行っている。
    そこでは,パターンの予測計算は,「関数計算」ではなく,相互作用でつながっている<個>がどんな振る舞いを逐次現していくかを追跡する「シミュレーション」である。

    ただし,学校数学は高度に複雑な系 (複雑系科学が現在対象にできている系とは桁違いに複雑な系) であるから,マクロ数学教育学では,「パターン」と言ってもごく大づかみなものになる。