Up 「マクロ」の存在論 : 要旨 作成: 2014-09-20
更新: 2014-10-30


    マクロ学を立てることは,同時に「マクロ」の存在論を立てることである。

    存在は「系─個」の構造をとる。
    ここで,系に対して個は「ミクロ」であり,個に対して系はマクロである。
    よって,存在が「系─個」の構造をとるとは,存在が「マクロ・ミクロ」二重性だということである。
    「系─個」存在論──《存在は「マクロ・ミクロ」二重性》──が,「マクロ」の存在論である。

    存在は「系─個」構造」には,つぎの含蓄がある:
      系は,衝突する個の自由の逐次均衡相
      系は個の延長ではない
      存在は, 「系−個」連鎖
      存在は,非実体

    「系─個」存在論は,これに類縁の存在論が存在する。
    最も古いものでは,仏教の存在論である「空(くう)」が挙げられる。
    今日のものでは,「オートポイエーシス」, そして複雑系科学の謂う「複雑系」を挙げることになる。

    存在の「マクロ・ミクロ」二重性に対応して,存在の記述は「マクロ・ミクロ」二重性になる。
    このとき,マクロ記述とミクロ記述は,言語レベルの違いが立てられる。
    ミクロ記述は,意図的に実体論を行う。
    マクロ記述は,現象論──形(かたち)論──を行う。