Up | 「系─個」存在論に類縁の存在論 : 要旨 | 作成: 2014-09-20 更新: 2014-10-27 |
最も古いものでは,仏教の存在論である「空(くう)」が挙がられる。 「一切皆空」の「空」は,存在の「系─個」構造における系の「空」性を捉えたものと解釈される。 そして,系を現すところの個の相互作用が,「縁起」である。 スピノザの「コナトゥス」も,「系─個」存在論として読める。 即ち,「相互作用する個」の「作用 (努力)」が,「コナトゥス」である。 「オートポイエーシス」は,つぎの存在論である。 <系>の現前は,<個>の「自分の位相を<自分以外>に対して調整する」がその都度定める。 個それぞれがこの調整を行うことの結果は,「「自分の位相を<自分以外>に対して調整する」が再び必要になる」である。 <系>のスケールでこの模様を観れば,「<系>は,その都度自分自身に反応し (self_referrential),自分を変える」に見える。 これは,自分を飲み込み続けるウロボロスの絵図である。 複雑系科学は,「個の相互作用の現象」を,実際に科学するものである。 「無用の用」も,「有るものは,見えないものがつくっている」の意味では,「系─個」存在論の一タイプと見なせる。 |