Up 「進歩」と無縁 作成: 2014-07-26
更新: 2014-09-17


    学校数学は,つぎの3通りの意味で,「進歩」と無縁である:
    1. 学校数学は,同じことの繰り返しを運動する
    2. 規模・勢力の拡大は,質の向上とは違う
    3. 「進歩」に見えるものは, 「進化」


    A. 学校数学は,同じことの繰り返しを運動する
    これについては,既に述べた。
    (§「学校数学のマクロ現象の観取 →「同じことの繰り返し」の観取)

    B. 規模・勢力の拡大は,質の向上とは違う
    系の規模・勢力の拡大は,系の質の向上とは違う。
    規模・勢力の拡大は,そのこと自体では,評価することではない。

    実際,学校数学の系は,経済の系と同様,勢いの上昇と下降を繰り返す。
    上昇するとは,そのつぎは下降のステージがやって来るということである。


    C. 「進歩」に見えるものは, 「進化」
    系は,攪乱と均衡回帰の繰り返しを,自己維持のメカニズムにする。
    攪乱は行き過ぎると,破壊になる。
    系は,破壊に対し自己修復するが,この修復は復元にはならない。
    この修復は,奇形化である。

    この「奇形化」が,「進化」と呼んでいるものである。
    特に,退化も進化である。

    学校数学の「進歩」に見えるものは, 「進化」である ( ∵ A, B ).