Up 学校数学に対する「系」の捉え : 要旨 作成: 2014-02-01
更新: 2014-07-05


    学校数学現成論は,目的・実践論の「する」に対し,「なる」を措く。
    「なる」は,「均衡相の実現」である。
    その「均衡」は,「複雑系の均衡」である。
    学校数学を「なる」の視点で捉えることは,学校数学を「複雑系」の視点で捉えることである。

    「複雑系」の「複雑」は,「混沌」ではない。
    「複雑系」は合理系で,その理はシンプルなものだ,と捉えることになる。
    「複雑」は,「シンプルな理の重畳の相」と理解される。
    「なる」は,合理の結果である。

    この合理系のイメージは,力学系である。
    「なる」は,力学的法則の実現である。

    複雑系は,全体では容易に動かない。
    ミクロには絶えまない運動があるが,マクロでは,変化を現さないものになる。 「安定系」を示す。

    学校数学はずっと「向上」が唱え続けられ,「向上」の試みが続けられてきた。しかし全体として変わり映えしない。
    それは,系が複雑系で大きく,これを以て安定系だからである。

    こうして,学校数学を「なる」で捉えることは,学校数学を「複雑系」「合理系」「力学系」「安定系」と捉えることである。