Up 目的論・実践論の位置づけ 作成: 2014-05-22
更新: 2014-07-08


    ひとが学校数学を論じる形は,《学校数学の目的を論じ,目的達成の実践を論じる》である。
    ひとは,物事を「目的」で意味づけ,自分の<生きる>を「目的達成」で意味づけ,目的達成を実践しなければならないと思う。

    「学校数学=生態系」は,このような個の多様が現れるところである。
    多様な「目的」を現し,多様な「実践」を現す。

    多様性は,個々の目的・実践を相対的なものにする。
    こうして,「学校数学=生態系」は「目的・実践」の立たないところである。
    「学校数学=生態系」は個の目的・実践を要素にしつつ,「目的・実践」と無縁である。

    実際,目的論・実践論は,「個とは?」の論である。
    系として現前する学校数学の論ではない。
    学校数学の論は,現成論である。
    そして,「目的論・実践論」が現成論の主題になる形は,「個は目的論・実践論をつくる」である。

    学校数学の目的論・実践論は,個がこれをつくる。
    個が立てる「目的・実践」は,「学校数学=生態系」の中で相対化される。
    「学校数学=生態系」は「目的・実践」の立たないところである──個の立てる「目的・実践」を要素にしつつ「目的・実践」と無縁である。

    個の立てる「目的・実践」は,どのような構造から「学校数学=生態系」の要素か?
    「目的」は,達成しようとする何かではなく,「目的達成」の行動を起こすためのものである。
    「実践」は,「目的達成」行動の課題意識である。
    そして,実際行動が,系の自己維持の運動の内容である:
      学校数学は,自己維持する系として現前する。
      「自己維持する」は,「自己維持の運動をする」である。
      自己維持の運動は,個の<生きる>の運動が要素である。
      そして,個は,自身の<生きる>の運動を「目的達成の実践」の意識で導く者である。