Up 目的論に対し線引き 作成: 2013-06-19
更新: 2013-06-23


    学校数学は何のため?」の問いは,文字通りには,学校数学の目的/存在理由を問うものである。

    一般に,ひとが所与について<自分にそれが課される/強いられる理由>を問うとき,問いを「所与の目的/存在理由」を問う形につくる。
    これは,ひとが所与をつぎの形で理解しようとするということである:
      
    所与は,ある目的・理由があって先人がつくったものである。
    目的・理由があるから,それは存在している。
    所与を理解するとは,これの目的・理由を知ることである。

    目的論/存在理由論は,ひとの傾向性として相対化されるものである。
    これを相対化する立場に,プラグマティズム,構造主義,現象学などがある。

    本論考は,プラグマティズムないし構造主義の立場に立つ。
    本論考の「学校数学は何のため?」は,「学校数学とは,現実にどんな機能のことか?」の問いとして用いるものである。