Up 「得は,<形式>」を答えに ──「形式陶冶」論へ 作成: 2013-06-23
更新: 2013-06-23


    生徒の側からの「学校数学の勉強は何のため?」は,「学校数学の勉強は自分にどんな得がある?」である。
    この問いに対する答えは,生徒全員に向けて「得はこれである」と答えるものである。
    そしてこれは,つぎのように述べるところとなる:
      「この得は,どの生徒にもひとしいものであり,
       そしてどの生徒にも割りの合うものである。」


    では,その「得」は何か?
    その「得」に成し得るものはあるのか?

    その「得」の答えにし得るものは,唯一,<形式>である。
    ただし,<形式>を答えることの後には,説明が続かねばならない。
    実際,そうでなければ,<形式>を答えにすることは問いに蓋をすることと同じになる。