Up 「救済」の普遍形式 作成: 2012-11-26
更新: 2012-11-26


    「救済」の普遍形式は,「相手のいまのままをそっくり認める」である。
    ──これの反対が,「修業を課す」である。

    「相手のいまのままをそっくり認める」とは,何を行うことか?
    「すばらしい」の形を,手近に示してやることである。
    すなわち,「すばらしい」を実現している者を,相手の身近に示し,相手に「自分もできる」と思わせてやる。
    そして,相手が「すばらしい」を試行したその内容に対し,「すばらしい」の声をかけてやる。

    「救済」は,救済されたい者同士が互いに「すばらしい」の声をかけ合う形が,最良である。
    そこで,救済されたい者が集える会をつくってやる。
    救済されたい者が集う契機を上手に仕組むことが,要諦である。
    これができれば,後は,集う者たちが自ずと会を発展させていく。

    会は,<教主・執行部・一般会員>の構図を,自ずとつくる。
    これは,会のダイナミズムである。
    この中で,個人は,互いに引っ込みのつかない形に,己の身を定めるふうになる。
    執行部には,特に<「すばらしい」を実現している者>の役回りがつく。
    「教団」でいえば,「高弟」の役にあたる。

    会には,ライフサイクルがある。
    <発展>のフェーズのつぎは,<硬直化>のフェーズである。
    「すばらしい」が,全体を支配する。
    だれもこれに抗えない。

    硬直化した会は,教団化するか自然崩壊するかのどちらかの道をたどる。
    古今東西,例外はない。

    会の理想は,「柔らかい会」である。
    しかしこれは,極めて実現困難である。
    会のダイナミズムが,個人を圧倒するものになるからである。