Up 要旨 作成: 2013-07-13
更新: 2013-07-13


    1.学校数学は何のため?」の答えの構造

    学校数学は何のため?」の答えを,つぎの構造で見る:
      1. xはX1 を勉強する
      2. xはX2 を身につける
      3. xはX3 を行動する
      4. yはYを得る

    x, X1, X2, X3, y, Yには,いろいろなことばが入る。
    そしてこれは,「学校数学は何のため?」の答えが多様なものになるということである。
    さらに,代入したことばにこれの意味を定めようとしたら,多様な意味空間がつくられてくる。


    2.学校数学は何のため?」の答えの類型

    そこで,「xはX1 を勉強する; xはX2 を身につける; xはX3 を行動する; yはYを得る」の類型を定めることが,「学校数学は何のため?」の答えの類型を定めることである。

    本論考は,単純に,4つの項目「xはX1 を勉強する」「xはX2 を身につける」「xはX3 を行動する」「yはYを得る」の組み合わせパターンから無意味なパターンを除いたものを,類型と定める。
    これはつぎのようになる:

      I II III IV V VI
      「xはX1 を勉強する」
      「xはX2 を身につける」    
      「xはX3 を行動する」        
      「yはYを得る」      



    3.学校数学は何のため?」の答えに伴う不明

    学校数学は何のため?」の答え「xはX1 を勉強する; xはX2 を身につける; xはX3 を行動する; yはYを得る」は,つぎの不明を伴う:
      「xはX1 を勉強する」と「xはX2 を身につける; xはX3 を行動する; yはYを得る」をつなげられない。
    そして,この不明には「思考停止」で応じるふうになってしまう。

    「不明・思考停止」は,つぎの2通りである:
    1. 「xはX1 を勉強する」を定める;
        このとき,X2, X3, Yが不明となり,思考停止される。
    2. 「xはX2 を身につける; xはX3 を行動する; yはYを得る」を定める;
        このとき X1 が不明となり,思考停止される。