Up 答えの不明の構造 作成: 2013-06-27
更新: 2013-07-02


    学校数学は何のため?」の答え「xはX1 を勉強する; xはX2 を身につける; xはX3 を行動する; yはYを得る」は,不明を含むもつ。
    つぎが,不明の構造である:
      「xはX1 を勉強する」と「xはX2 を身につける; xはX3 を行動する; yはYを得る」をつなげられない。
    そして,この不明には「思考停止」で応じるふうになってしまう。

    「不明・思考停止」は,つぎの2通りである:
    1. 「xはX1 を勉強する」を定める;
        このとき,X2, X3, Yが不明となり,思考停止される。
    2. 「xはX2 を身につける; xはX3 を行動する; yはYを得る」を定める;
        このとき X1 が不明となり,思考停止される。

    Aの例:「形式陶冶」
    「形式陶冶」は,「生徒は数学を勉強する;生徒は○○を身につける」である。
    ○○は「形式」であり,これが不明である。
    ──この不明を質す問いが「数学の勉強は何のため?」である。
    「形式」の特定は,思考停止される。
    ──「数学の勉強は何のため?」の問いは宙ぶらりんにされ,忘れ去られる。

    Bの例:「数学的リテラシー」(一般に,学校数学出口論)
    「数学的リテラシー」は,「生徒は○○を勉強する;生徒は数学的リテラシーを身につける;生徒は数学的リテラシーを行動する;国/社会は数学的リテラシーを行動する人材を得る」である。
    ○○は教材であり,これが不明である。
    教材の特定は,学校現場に丸投げされる。
    学校現場は,これでしばし攪乱される。