Up 「必要・十分条件」の概念 作成: 2008-04-15
更新: 2008-04-15


    ひとの傾向性として,意味の問いを含意で答えるというのがある:
      「○○とは何か?」と問われて,○○の含意 (必要条件) を答える。
    「日本とは何か?」の問いに「国である」と答える,といったぐあい。

    「○○とは何か?」の問いは,「○○」の規定・特徴づけ (必要十分条件) をきいているわけであるが,「必要・十分条件」の概念をもたない者にはこれがなかなかわからない。
    国はいろいろありますから,<国である>だけでは日本が何であるかを答えたことにはなりません。」の指導を入れればそれで納得・解決,というふうにはならない。 「規定・特徴づけ」「含意」のロジックは,訓練されていない者には難しい。


    「必要・十分条件」の概念は,論理的な言説をつくる上で必須である。
    この概念は,これが明示的に主題化されそして学習されることで,はじめて身につくようになる。
    この「明示的に主題化する」を行う教科が,数学である。