Up 「同形/同型」による同一視 作成: 2008-04-15
更新: 2008-04-15


    「違うものを同じに見る」は,生命体の基本機能である。
    言語は,この方法を既に与えている。
    「花」ということばは,「違うけれども<花>として同じに見る」よう仕向ける。

    教科は,「違うものを同じに見る」のうち重要なものを,分担して主題化する。
    この場合の「同じ」の意味は,「形/構造が同じ」──「同形/同型」──である。

      例えば,二つの音は,ある視点から「同形/同型」となり,「同じ音」になる。 この「同形/同型」は,物理学や音楽で主題化される。


    数学は,「形/構造」「同形/同型」を明示的に主題化する学問である。
    数学は,「形/構造」「同形/同型」の記述を開発してきた。

      例えば,図形 (幾何学的空間の二つの部分) の「同形」は,「あるきまりを満たす1対1の要素対応が存在する」というふうに述べられるものになる。

    数学の「同形/同型」は,定義がシンプルである分だけ,ひどくラディカルになる。 すなわち,とんでもなく違って見えるものが同じになり,またその逆に,同じに見えるものが違うものになってしまう。


    このシンプルとラディカルが,「形/構造」「同形/同型」をとらえ・考える能力を鍛え,「形/構造」「同形/同型」にこだわるカラダの構えを鍛える。