Up 要 旨 作成: 2012-10-05
更新: 2012-10-07


    本論考は,「算数・数学科の授業」の意味の論考である。
    これを行うのは,「算数・数学科の授業」は「算数・数学科の授業」の一般的な受け止め方とは違うものだからである。

    算数・数学科の授業は,一般に,数学の授業と受け止められている。
    しかし,ここが既に違っている。
    算数・数学科の授業は,数学の授業ではない:
      現前の算数・数学科の授業は,数学の授業ではない。
      そして,算数・数学科はもともと,数学を授業するものとはならない。

    このことを,本章において,つぎの順序で押さえる:
    1. 現前の算数・数学科の授業内容に対応する数学を示す。
    2. 算数・数学科が,教員と生徒の関係性として,数学を授業するものとはならないことを示す。

    算数・数学科の授業内容に対応する数学を示す目的は,先ず,
      現前の算数・数学科の授業は,数学の授業ではない
    を示すことである。
    そして併せて,
      算数・数学科は,数学を授業するものとなるか?
    を問題として立てることである。

    算数・数学科は,数学を授業するものとなるか?
    算数・数学科を数学の授業にするとは,現前の算数・数学科の授業内容に対応する数学の方を授業するということである。
    しかし,授業は,教員と生徒の関係性である。
    この関係性の機序によって,算数・数学科は数学を授業するものとはならない。