Up 基礎学 : 要旨 作成: 2016-01-09
更新: 2016-01-18


    数学教育学は,「数学教育生態学」がこれの形になる。

    生態学は,危うい学である。
    対象が複雑系であることを以て,雑な思考を自らに許してしまう。
    あるいは,複雑系を思いながら複雑がわからないために,思いとは逆に,単純思考をやってしまう。(「数学的モデル化」は,この場合である。)

    そこで,「複雑」を捉えるカラダづくりが課題になる。
    ここに,「基礎学」の考えが出てくる。
    「数学教育学の基礎学」というわけである。


    「数学教育学の基礎学」は,別の文脈からも出てくる。

    数学教育生態学は,現前の「数学教育」を理の実現と定め (現成論),これの理を探求しようとする。
    理の探求は,先ず,「数学教育」が俯瞰されてくる視座を設ける。
    この視座の場所は,ロジックとして,「数学教育」の上位の系である。
    そして,理は,この系の理である。

    この系はどのようなものか?
    そして,その理は?
    これは,哲学の趣で推理するものではない。
    科学の立場で推理することである。

    「科学に立つ」は,<構え>の話ではない。
    <能力>の話である。

    そこで,「系」を科学するカラダづくりが課題になる。。
    ここに,「基礎学」の考えが出てくる。
    「数学教育学の基礎学」というわけである。


    学によって,基礎学は広範囲になる。
    基礎学が広範囲であることは,学の修得に多くの時間を要することを意味する。
    数学教育学は,この類である。
    数学教育学は,年季勝負である。