Up 数学教育学の基礎学 : おわりに 作成: 2016-01-18
更新: 2016-01-18


    学は,「基礎の上に累積」の構造をもつ。
    基礎は,「基礎学リスト」の形に整理される。

    数学教育学が科学になる形は,数学教育生態学である。
    生態学は,普遍学と表裏になる:
      数学教育学は,生態系を観ずる。
      体は生態系の内にあり,目は生態系の外にある。
      この目の身分は,普遍学である。
    そこで,数学教育学の基礎学は,生態学の基礎学と普遍学の基礎学の2種類で考えるものになる。

    数学教育学の基礎学は,広範囲のものになる。
    本テクストは,その中のいくつかを取り上げてみた。
    趣旨は,「基礎学」とはどう考えるものかを示すことである。
    基礎学個々の内容を伝えることではない。 ──実際,基礎学の取り上げ方も,論じている内容も,ひどく偏っている。

    基礎学が広範囲に亘るということは,数学教育学は基礎を一定程度修めるだけでもひどく時間がかかるということである。
    実際,数学教育学は,年季勝負である。
    年季勝負になってしまうのは,学の性格上やむをえないことである。
    ここは,「急がば回れ」を観念する──あるいは,たのしむ──ところである。