Up 同期 (「つられる」) 作成: 2015-11-07
更新: 2015-11-07


    複雑系科学の方法論は,「複雑を複雑に見る」ではない。
    「複雑を単純に見る」である。

    例えば,つぎのように見る:
      要素間に,単純な連動規則がある。
      この規則に従う要素の運動は,全体で「複雑系」を現す。


    人は,周りと比べて自分がどうかを気にして生きている。
    そのつもりはなくとも,「つられてやってしまう」「お付き合いする」「流れに乗る/乗り遅れない」「取りあえずまねる」を無意識に行動している。
    複雑系力学のことばを借りれば,周りとの「同期」をやっている。

    個は,日々,周りから届くいろいろな信号に同期している。
    このような個──同期行動する個──を要素にする系は,「複雑系」になる。

    「数学教育」「数学教育学」は,同期行動が満載である。
    いろいろな個,いろいろな生業が,日々「つられてやってしまう」「お付き合いする」「流れに乗る/乗り遅れない」「取りあえずまねる」を行動している。
    翻って,これら全体が現す複雑系が,「数学教育」「数学教育学」である。