Up 景気循環 作成: 2015-10-12
更新: 2015-10-12


    景気は,好況と不況を循環する。
    景気循環論というのがあって,景気循環を演繹的に説明しようとするが,商品経済の系の捉えが単純過ぎて説得的でない。

    実際,好況とは生産・消費の拡大が続くこと (「右肩上がり」) であり,これは続くことではない。
    好況は後退・不況を含蓄している。
    不況とは生産・消費の縮小が続くことであり,その先は絶命だから,これも続くことではない。
    不況は回復・好況を含蓄している。
    そして実際,景気は好況と不況を循環している。

    循環 (周期運動) は,複雑系の含意である。
    複雑系は,動的平衡のダイナミクスを以て,現前 (定常) する。
    そのダイナミクスは,周期運動である。
    複雑系は,周期運動が定常均衡/動的平衡の形になるから,周期運動する。

    商品経済の系は,景気循環 (周期運動) を含意する複雑系である。
    商品経済の系は,景気循環が定常均衡/動的平衡の形になるから,景気循環する。


    「景気循環は商品経済の含蓄」は特に「不況は商品経済の含蓄」であるが,これは恐慌論になる。
    恐慌論は,「恐慌は資本主義経済の含蓄」を論ずるものである。


    数学教育商品経済生態系に現れる周期運動の例
    • 「学習指導要領」の改訂 (およそ10年周期)
    • 「数学的○○」(「数学的考え方」「数学的問題解決」「数学的リテラシー」) のリセット (およそ20年周期)