Up 「自然破壊」 作成: 2015-12-02
更新: 2015-12-02


    林業行政は,「皆伐」を造林の方法にしてきた。
    これは,「畑作」を造林に適用したものである。
    皆伐が「耕起」にあたり,皆伐のあとに「経済林」と定めた針葉樹の苗を植える。
    畑作なら畑一面の収穫となるわけだが,造林はこうはならない。
    目論見通り育ってくれないばかりでなく,いろいろな意味で「自然破壊」をやってしまう。

    生態系の中の営みを,「環境に順応」と「環境を変える」の2極で見てみる。
    「環境を変える」では,環境は思うようには変わってくれない。
    ただの環境の攪乱になり,「環境破壊」になる。
    環境は,複雑系である。
    人は,この複雑系をコントロールできるようには,出来ていない。

    「数学教育学」は,「数学教育の改革」を企画しこれを進めることを,生業にしている。
    対象になる「数学教育」は,複雑系である。
    「数学教育学」は,この複雑系をコントロールできるようには,出来ていない。
    「改革」は,ただの「数学教育」の攪乱になり,「数学教育破壊」になる。

      例えば,いまは「数学教育学」の企画になる「数学的リテラシー」が「数学教育」で進行中であり,「周りと話し合う」をさせることが数学教育になっている。
      数学教育は,このようなものではない。
      「数学的リテラシー」ムーブメントは,「数学教育破壊」である。

    「数学教育学」のこの生業の意味は何か?
    商品経済である。
    「数学教育学」は,「数学教育」を商品経済に乗せることを,生業にしている。
    この商品経済に乗せることが,数学教育破壊になるというわけである。

    ここには,是非はない。
    《それぞれが,系における自分の役割を果たしている》があるのみ。