Up 「木は木材ではない」 作成: 2015-12-03
更新: 2015-12-04


    林業を考えることは,そのなかで木を考え,木材を考えることである。
    そしてそのなかで,「木材にならない木」の句に自ずと到る。
    「木材にならない木」の句に到るとき,「木は木材ではない」に気づかされる。
    即ち,この命題の存在に気づかされる。
    命題の意味は「木を木材(商品)にするのは,人間の勝手」である。

    ここでさらに,林業と教育の同型を思う。
    「木は木材ではない」には,「人は人材ではない」が対応する。
    「人を人材(商品)にするのは,人間の勝手」となる。


    教育は,「人」を「人材」にする営みとして立つ。
    商品経済は,人が商品経済の人材として生業うところであるから,教育は人を「人材」から落ちこぼせない。
    教育では,「人」イコール「人材」になる。
    「人は人材である」になる。

    教育は,「人」を「人材」にすることが立場である。
    「人は人材ではない」(「人を人材(商品)にするのは,人間の勝手」) は,教育では立てられない命題になる。
    特に,「数学教育学」では立てられない命題である。

    「人は人材ではない」を立てる場所は,文学とか科学である。
    特に,数学教育学で立てる命題である。