Up 「数学的○○」 作成: 2016-01-10
更新: 2016-01-10


    数学教育学の思想は,現前の「数学教育学」の思想と対照されることになる。

    「数学教育学」の思想は,「数学的○○」の思想である。
    「数学的○○」は,能力心理学の考え方である。
    能力心理学は,認識の「カテゴリー表」を力の「カテゴリー表」に読みかえるものである。
    即ち,認識の「カテゴリー表」の項目の「‥‥する」を「‥‥する力」に変える。
    ただそれだけである。

    「カテゴリー表」は,カントによる。
    この考えは,西洋哲学の主流の系譜──合理主義の系譜──の中に位置づくものであり,カントも,「アリストテレス以来の西洋哲学の伝統のコペルニクス的転換」の文脈においてであるが,「カテゴリー表」がアリストテレスの「カテゴリー表」に溯ると述べる。
    ここで「コペルニクス的転換」の意味は,「<認識>の捉えの伝統である<世界が所与>を<認識形式が所与>に転換」である。

    能力心理学は,「認知科学」がこれのいまの形になっている。
    実際,「数学的○○」の唱道者は,「認知科学」を拠り所にしている者である。