Up | 日本の自然 | 作成: 2015-12-05 更新: 2015-12-05 |
「文明開化」以降の日本の学術のスタイルになった「横のものを縦にする」は,いまも続く「後進国型」である。 「後進国型」は,「日本的」ではあるが,ここで主題にする「日本型」ではない。 主題にする「日本型」は,他の国の場合と比べられる「日本型」である。 「数学教育学」は,他の国の場合と比べられる「日本型」を現わしていない。 この「日本型」は,いまの「数学教育学」には無いものである。 他の国の場合と比べられる「日本型」は,どのように説明されることになるものか。 いま,これを考えてみる。 「生きる」を「環境への適応」と捉えることは,裏返すと,環境が生物をつくっていると捉えることである。 特に,生物の特徴は,環境の特徴ということになる。 「環境」は,自然的・人工的すべてをひっくるめての「生態系」である。 「日本型」は,このロジックに乗せるほかない:
<日本=生態系>は,いろいろな形で表出する。 そしてその表出それぞれに,「日本型」の主題が立つ。 「特別」を言い出せばどの国・地域も生態系として特別ということになるが,それでも生態系としての日本には,「日本型」を言い出したくなるような「特別」がある。 そして,これら「特別」の根底に,自然──国土の位置,地勢,気候──の「特別」がある。 「日本型」は,様々な偶然の所産であるが,ベースに日本の自然がある。 「数学教育学の日本型」が立つとき,その説明概念は「日本の自然」である。 この説明の探求は,生態学である。 |