Up 理論と実践」は「倫理と実践」 作成: 2015-11-15
更新: 2016-02-08


    「数学教育学」は,「理論と実践」を唱える。
    「理論と実践」は,科学の言い方ではない。── 科学は「理論と実証」である。

    「数学教育学」のいう「理論と実践」は,「理論」が「実践理論」である。
    即ち,「理論と実践」は,「実践理論と実践」である。

    実践理論は,「‥‥をすべし」を説く。
    「‥‥をすべし」は,「‥‥をしないのは正しくない」である。
    実践理論が説くものは,倫理である。
    「実践理論と実践」は「倫理と実践」である。

    「実践理論と実践」は,「プロジェクト」である。
    そして「実践理論と実践」が「倫理と実践」であるとは,プロジェクトが倫理プロジェクトだということである。
    「数学教育学」は倫理プロジェクトであり,実際,現前を論ずる仕方は是非論である。
    「数学教育学」は「理論と実践」を唱えることで,自分は「プロジェクト」を身分とするものであること──「科学」を身分とするものではないこと──を,自ら示す。


    科学の「理論と実証」の「理論」は,「推理」がこれの内容である。
    よって,「数学教育学」の「理論と実践」が「倫理と実践」であるのに対し,科学の「理論と実証」は「論理と実証」ということになる。
    「数学教育学」と科学の対比は,「倫理と実践」と「論理と実証」の対比である。