Up 『数学教育生態学』: おわりに 作成: 2015-11-20
更新: 2016-01-29


    数学教育学は,科学/現成論として,現前の全肯定になる。

    現成論は,現前の全肯定である。
    現前を,<理が成った形>として捉える。

    科学は,現前を<理が成った形>と定め,その理を探求することを己の営みとするものである。
    したがって,科学は現成論である。

    数学教育学は,科学/現成論として,現前の全肯定になる。
    「数学教育学」と数学教育学の本質的違いは,ここにある。
    「数学教育学」は,身分が「改良プロジェクト」であり,現前に対する批判を方法論にする。

    実際,「数学教育学」の論文を書くとは,批判を書くことである。
    数学教育学専攻の大学院生は,論文は批判を書くものだと指導される。
    わたしも,「数学教育学」を生業とする立場のときは,このように指導するわけである。
    (『「卒論/修論作成」指南』「<○○を実現する指導>へのアプローチ」タイプの論文の場合」)