Up 『数学教育生態学』: はじめに 作成: 2015-11-20
更新: 2016-01-26


    『3. 数学教育学の形』では,数学教育学をつぎのように定めた:
        世界    : 現前の「数学教育」
        数学教育学 : この世界の科学
    科学は,世界を<理が成っている形>と定め,その理を探求する営みである。
    上のように定めた数学教育学は,現前の「数学教育」を<理が成っている形>と定め,その理を探求する営みである。
    現前の「数学教育」を<理が成っている形>とする見方は,「生態系」である。
    よって,数学教育学は,生態系の科学ということになり,生態学である。
    こうして,「数学教育学は,数学教育生態学」となった。

    現前を<理が成っている形>と定めるのは,「現成論」である。
    数学教育学は,現成論を行う。

    では,その現成論はどのようなものか?
    即ち,現成論である数学教育学は,数学教育の各主題に対しどのような論法を用いるものになるか?
    これを,この『5. 数学教育生態学』で示す。

    論考の趣旨は,現成論を数学教育学の主題に適用するとどんなふうになるかを示すことである。
    あくまでも,現成論の方法を示すことが趣旨である。

    主題は,任意に取り上げたものである。
    実際,章節の構成も,雑なものである。
    テクストは,「主要主題を加えていくにつれ,構成が自ずと定まってくる」のスタンスでつくる。 (但し,「数学教育学」を既に引退した身なので,テクストの内容を充実させようというつもりは無く,だいたい内容が埋まったところで了とする。)
    読者は,以上を了解されて,このテクストに付き合われたい。