Up 「学校数学」力学系 : 要旨 作成: 2015-10-29
更新: 2016-02-07


    学校数学は,運動する系である。
    学校数学は,力学系である。

    学校数学は,人がつくろうとしてつくったものではなく,成ったものである。
    つくろうとすることは,つくることではなく,系を攪乱することである。
    攪乱された系は,新たな安定/均衡相に収まるように運動する。
    学校数学は,こうして成る。

    現前の学校数学は矛盾だらけに見えるが,これが成るダイナミクスを想えば,あたりまえのことである。
    そしてこれが成るダイナミクスを想えば,学校数学の「改革」プロジェクトがうやむやになって止む定めであることも,よくわかろうというものである。


    現前の学校数学は,学校数学がやっとのこと成り立っている形である。
    これを否定すれば,学校数学は立たない。

    特に,学校数学を生業う者が行える学校数学が,学校数学である。
    学校数学を生業う者が数学と定め,教えられる数学が,数学である:
        これだと教えられる;
         よって,これが数学である;
         よって,これを教えよう

    本来の数学は,「学校数学を生業う者が行える数学」にはならない。
    学校数学の数学は,数学とは違ったものになる──別物になる。