Up 参加型授業 作成: 2016-01-28
更新: 2016-01-28


    「数学的○○」が数学教育生態学の主題になる形の一つは,「参加型授業」である。

    「人づくり」は,「選別」である。
    数学教育は,生徒を数学教育への適応者と不適応者に分ける。
    「不適応」は「不向き」を意味するだけであるが,現前の「数学教育」では,不適応者は数学教育の失敗作ということになる。
    不適応者を出さないよう努める教育は,「縛る・強いる」になる。
    そして,「縛る・強いる」は,不適応者において悪循環する。

    「数学教育」「数学教育学」は,この力学系における自身の均衡相を実現するように,運動・変質する。
    それは,「不適応」「悪循環」がありようのない数学教育へのシフトである。
    その数学教育は,どんなものか。
    授業を参加型にするというものである。

    参加型であるとは,評価が無いということである。
    参加型の授業をつくるとは,評価がありようのない授業をつくるということである。

    数学を教える授業は,評価がいやでも立ってしまう授業である。
    参加型授業は,<数学を教える>が無くなっていることがこれの第一条件である。

    しかし,数学を無くしたら数学教育の看板が立たなくなる。
    そこで,《数学を「数学的」にシフト》となる。
    「数学的○○」は,数学教育の「参加型授業」の方向性と符合する。