Up 「人づくり」: 要旨 作成: 2015-10-13
更新: 2016-02-06


    「数学教育」「数学教育学」を生業うことは,「人づくりで社会貢献」を自分の立場にすることである。
    実際,「数学教育」「数学教育学」を生業う者は,自分は「人づくりで社会貢献」を営んでいると思っている。

    「数学教育」「数学教育学」は,商品経済の歯車である。
    「数学教育」「数学教育学」が立てる「人づくり」は,人材商品づくりになる。

    • 人材派遣業の存在は,人材が商品であることをわかりやすく示している。
    • グローバリズムを標榜する「数学教育リテラシー」では,「グローバル商品化」が「人づくり」の意味になる。


    「人づくり」の学校数学は,生徒がつぎの者であるときに,機能する:
      《その「人づくり」が自分に行われることを,志望する/受け入れる》
    しかし,現前の学校数学は,「すべての者にとっての学校数学」で立っている。
    「人づくり」は,「個の多様性」と衝突する。

    「人づくり」は,「数学教育」「数学教育学」を生業う者が自分の務めにしているものである。
    「数学教育」「数学教育学」を生業う者は,「個の多様性」に対し「人づくり」の無理を通さねばならない者である。

    しかし,「数学教育」「数学教育学」を生業う者の都合──《「人づくり」が実際何であれ,それを行うのが自分の仕事》──は,生徒にとっては「知ったことか!」となるものである。
    「人づくり」する側の者は,「人づくり」の資格を自分で自分に与えている。
    「人づくり」は,構造的に「独り善がり」である。


    「人づくり」と「個の多様性」の攻防は,低学年だと「人づくり」が勝てる。
    しかし,学年が上がれば,互角模様になり,ついには逆転模様になる。
    「個の多様性」は絶対であり,無理は通らない。
    そこで,学校数学は,学年が上がるにつれ「人づくり」色を薄めていくよう,自らをつくっている。
    高校数学ともなれば,自身を「受験数学」とあっさり観念する態である。

    実際,「人づくり」の肝心は,うまくいく・いかないではない。
    「人づくり」の機能は,経済効果である。
    ここが重要なところである。,
    生態学が着目し主題化するのは,この部分である。


    「人づくり」は,系の攪乱である。
    この攪乱は,経済効果になる。
    「人づくり」は,有効な経済活動である。
    商品経済の歯車として,商品経済の中にきちんとおさまる。
    ゆえに,「数学教育」「数学教育学」は「人づくり」として身を立てているわけである。
    「数学教育」は学校数学で,そして「数学教育学」は教育プロジェクトで,「人づくり」を立て,系の攪乱を営む。