Up  教育産業のダイナミクス 作成: 2016-02-02
更新: 2016-02-03


    数学教育の開始は,生業としての数学教育の開始である。
    学校数学の「経営・企画・制作・営業」の生業がつくられる。
    これらの生業は,経済効果となる。
    特に,新たな生業を創出する。
    「教育産業」である。
    学校教育と教育産業は,共生関係をつくり,相互進化する。

    数学教育と共生する教育産業の屈指は,教科書会社である。
    教科書は,地域教育委員会が複数の教科書会社の教科書のうちから一つを採択し,配下の学校が一律この教科書を使うシステムになっている。
    教科書は,検定教科書であるから,内容は五十歩百歩である。
    そこで,教科書会社は,自社の教科書が採択されるよう,人脈形成に努めるものになる。
    実際,教科書会社の「営業」は,つぎの二つである:
    1. 自社の教科書が採択されるための人脈形成
    2. 一旦採用されたら,続けて採用されるための,顧客サポート

    人脈形成が重要なのは,教育図書の出版会社も同様である。
    この人の書いたものは買う」がたくさんいるような人物を抱えようとする。
    また,そのような人物になりそうな者の発掘に努める。

    教員の研究会には,教科書会社や教育図書出版会社が事実上共催のものが多い。
    会社は図書販売の形で研究会に参加するが,担当者は,既につくった人脈を引き締めることと,将来有望な人物を見定め人脈に加えるという仕事を,努めて行っている。