Up 数学教育学は,数学教育生態学 作成: 2015-10-09
更新: 2015-10-10


    現前の「数学教育」を,一つの世界として視る。
    現前の「数学教育」は,商品経済を支えるものとしての数学教育の向上・改革を課題にする営みである。
    現前の「数学教育」を「商品経済を支えるものとしての数学教育業の向上・改革を課題にする営み」と見るのは,一つの視座である。
    この視座を以て,現前の「数学教育」を一つの世界として視る。

    この世界の科学は,一つの数学教育学になる。
    それは,「数学教育生態学」(「商品経済下の数学教育の生態系の学」) の趣きのものになる。


    生態学の視座は,「向上・改革」を相対化する。
    現前の「数学教育学」は,「向上・改革」を立てることで,同時に是非を立てている。
    向上・改革に添うことが是,向上・改革を阻害することが非。
    一方,生態学の視座では,物事は「是非もなし」になる。

    科学は,「是非もなし」を境地にする。
    物理学が,この境地の実現態である。
    数学教育生態学は,現前の「数学教育」を世界としたときの科学の形である。

    視座をさらに上昇させると,現前の「数学教育」が「いろいろな数学教育のうちの一つ」になる世界が展望されてくる。
    しかし,視座のこれ以上の上方シフトは,ここでは無用とする。
    先ずは,現前の「数学教育」を科学することを課題にする。

    よって,こうなる:
      「数学教育学は,数学教育生態学である」


     註 : 「数学教育」の世界の中に,現前の「数学教育学」がある。
    数学教育学は,「数学教育学」を科学することを含む。
    「数学教育学」生態学が,この科学である。