Up 複雑系 作成: 2015-10-10
更新: 2015-10-10


    科学としての数学教育学は,<数学教育の向上・改革を課題にする人間の生態の物理>を主題にする学として立つ。
    立場は,物理学である。

    この物理学は,複雑系の物理学である。
    複雑系のダイナミクスを捉えることが,課題である。

    「複雑」とはどういうことか?
    例えば,「数学教育学」が思い描く「向上・改革」は成らない。
    しかし,成らない「向上・改革」は,系のダイナミクスの要素である。
    「子ども一人ひとりを大切に」は欺瞞である。
    実際,「数学教育」は落ちこぼれをつくるものであり,《落ちこぼれは仕方がない》となるものである。
    しかし,この欺瞞は,系のダイナミクスの要素である。
    現前の系の内容になっているものに,無意味なものはない。
    それを系から除けば,系は壊れる (別物の系に変わる)。

    ちなみに,「無意味なものはない」は,現前を全肯定することばである。
    この全肯定は,「是非もない」という言い方もある。
    翻って,是非もない相が,「複雑」である。