Up 疎外 作成: 2016-01-24
更新: 2016-01-24


    個は,<系の個>である。
    <系の個>であることは,<[系=関係ネットワーク] のノード>になることであり,<[系=力学系] の要素>になることである。
    生きる個は,<生態系の個>である。
    <生態系の個>であることは,<[生態系=関係ネットワーク] のノード>になることであり,<[生態系=力学系] の要素>になることである。


    系の要素として存ることは,系における一つの<意味>として存ることである。
    生きるとは,<意味>を負い,その<意味>を生きることである。

      社会的生物の社会における<意味>は,「役割」である。
      人の場合はさらに,「役割」に,「義務」「倫理」の脚色を施す。
      人の生きるは,役割・義務・倫理を負い,役割・義務・倫理を生きることである。


    個の<意味>は,開かれている。
    <意味>が開かれている個にとって,一つの<意味>を負いそれを生きることは,偶然である。
    個がこの偶然に翻弄される様を,「疎外」という。

    系に個が生きることは,疎外を生きることである。
    生態系に個が生きることは,疎外を生きることである。
    疎外が,個の現成の形である。


    個は,受動と能動の両方の力を以て,自身を<関係ネットワークのノード>,<力学系の要素>に実現する。
    個の疎外論をつくることは,それらの力の論をつくることである。