Up 数学教育の幻想解脱/普遍の形 作成: 2016-01-20
更新: 2016-01-20


    現前の「数学教育」は,意味・目的をつけられた数学教育である。
    「数学教育」は,意味・目的によって自身を保つ。
    意味・目的は,「先に俟っている何か」である。
    「数学教育」の場合,「数学的○○」がこれに当てられる。
    「数学」は,「数学的○○」に到達するための手段の位置づけになる。

    数学教育学は,普遍学を立てる。
    普遍学の方法は,幻想解脱である。
    現象学の言い方を用いれば,「現象学的還元」である。
    「数学教育」に対し,意味・目的をはずした数学教育を立てる。

    この数学教育は,数学に視線を向けるものである。
    ──現前の「数学教育」「数学教育学」は,数学を見ない・数学が目に入らない。
    この数学教育は,「数学へのリスペクト」で成るものである。
    (数学教育の場合,「存在へのリスペクト」は「数学へのリスペクト」である。)

    数学教育は,「数学へのリスペクト」が興される場である。
    数学教育学は,この数学教育を<普遍>に位置づけて,現前の「数学教育」の現成論をつくる。
    その現成論は,《現前の「数学教育」は,どういう理によって数学教育から離れるか》の論である。