Up 「反表象主義」論 : 要旨 作成: 2016-01-20
更新: 2016-01-20


    数学教育は,「数学的○○」の「数学教育」になる。
    「数学的○○」は箱物であり,数学教育は空回りする。

    「数学的○○」は,認知科学がベースになっている。
    「数学的○○」の箱物性は,認知科学の表象主義がもとになる。
    数学教育学が数学教育の普遍形を立てるとき,その思想は自ずと反表象主義である。

    現前の反表象主義は,言語崩壊型空論をつくる。
    それは,数学教育学が倣うものではない。
    数学教育学は,反表象主義の方法を自ら考え出さねばならない。

    言語崩壊型空論は,<解明>がないものを解明しようとしたときの結果である。
    解明は,対象概念の分節化をする。
    対象が分節の無いものであれば,これを分節化しようとする「解明」は,矛盾である。
    この矛盾の様が,言語崩壊型空論である。

    数学教育学がとる反表象主義は,「不可知論的中庸」がこれの方向性になる。
    不可知論は消極論ではない。
    不可知論は,「<解明>がないものは,解明無用」論である。
    ウィトゲンシュタインの「語りえぬものについては,沈黙しなければならない」である。

    実際,数学教育学は,不可知論では躓かない。
    なぜなら,<わかっている>と<解明できる>は,別のことだからである。