Up 自立・自由──生成的創造 作成: 2016-02-17
更新: 2016-02-17


    数学の精神のうちに,「自立・自由」がある。
    数学には,他の諸科学には有る<現前の制約>が無い。
    数学の営みの中にあるものは,自分と「紙・鉛筆・ごみ箱」である。

    数学の営みとして行うことは,定理の生成的創造である。
    独自に種・土壌を揃え,独自に栽培し,そして独自の結果を収穫する。

    これらが,数学の中で終始する。
    生成の種・土壌は,数学の中にある。
    結果は,数学に返される。
    数学は閉じた系であり,外部を要しない。
    その中で,自立・自由の者として,創造的活動をする。

    生成的創造としての数学の同型を求めれば,抽象芸術が挙がる。
    実際,数学と音楽は,その同型性において,古代ギリシャのときからずっと比べられてきたわけである。

    精神の自立・自由が棲める場は,精神の自立・自由を求める者を惹きつける。
    精神の自立・自由が棲める場は,精神の自立・自由を人が求める時代に,光る。
    数学は,そのような<精神の自立・自由が棲める場>としてあり,また,あった。