Up 進化に対する遅延行動──慎ましさ 作成: 2016-02-10
更新: 2016-02-16


    「系の普遍形」は,タイプとレベルで考えられる。
    「系の原初」は,「系の普遍形」の一つのタイプである。

      現前の「学校数学」の原初は,「文明開化」である
      それは,「数学を,産業の基礎科学のさらに基礎学として,身につけさせる」である。

    系は進化する。
    進化の行程は,<原初=普遍形>を無くしていく行程である。

      学校数学は,「一般陶冶」へと進化する。

    翻って,<原初=普遍形>を保つとは,進化を退けるということである。
    しかし,進化は,退ける・退けないの話ではなく,必然である。
    <原初=普遍形>は,保てないことを以て<原初=普遍形>である。


    <原初=普遍形>保持の代わりになるものは,<原初=普遍形>喪失の遅延である。
    その方法は,「慎ましさ」である。

      学校数学の場合,「慎ましさ」とはつぎの課題に対する「慎ましさ」である:
      1. 生徒数
      2. 生徒の数学への適性
      3. 教授する数学

    遅延行動は,<時間稼ぎ><無力>とイコールではない。
    進化が螺旋運動化しようとする局面で,遅延行動は運動を振動に変える可能性がある。

      増加指数関数fは,f″ = kf ( k > 0 ) で特徴づけられる。
      単振動の関数fは,f″ = −f で特徴づけられる。
      「遅延行動」は,イメージとして,「f″ = kf のkを,正から負へと向かわせる」である。