Up 商品経済の<死>の法則 作成: 2015-11-27
更新: 2015-12-21


    「数学教育」「数学教育学」は,商品経済に棲む。 ──生業として棲む。

    「数学教育」「数学教育学」の立つ瀬は,商品経済である。
    そこで,「数学教育」「数学教育学」の<この先>を考えることは,商品経済の<この先>を考えることである。

    商品経済の<この先>は,<死>である。
    商品経済の<死>は,つぎの論理の導くものである:
    1. 商品経済は,<成長>が自己保持の形である。
      この成長は,「ニッチの取り尽くし」「資源の取り尽くし」になる。
      これは,《超長期の地球史の生産物を超一瞬に消費》になる。
    2. この成長は,系の制御メカニズムがなければ,系の指数関数的膨張になる。
      系の制御メカニズムがあるので,周期関数に収まる部分がある。
    3. しかし,「ニッチの取り尽くし」「資源の取り尽くし」のダイナミズムは変わらない。
      いずれにせよ,この成長の先は「破滅」である。

    一般に,系の<この先>は,<死>である。
    失敗して死ぬ<死>ではなく,必然で死ぬ<死>である。
    <死>は,系の含蓄である。


    商品経済の系は,<商品経済のための商品経済>を運動する。
    <商品経済のための商品経済>の運動は,系を<死>に導く運動である。
    従って,<商品経済のための商品経済>の運動は,<死>を考えてはならないものである。
    商品経済は,<死>の概念を自ら欠落させる。

    <死>の概念の欠落は,「数学教育」「数学教育学」にも継がれる。
    「数学教育」「数学教育学」は「人づくり」を「商品経済の人材づくり」に代えるが,こうなるのは,生業にし得る「人づくり」は「商品経済の人材づくり」だからである。
    そして「人づくり」を「商品経済の人材づくり」に代えることを助けているのが,<死>の概念の欠如である。

    この<死>を主題化を,数学教育学にとっておくことにする。