Up Transzendental 作成: 2015-12-16
更新: 2015-12-16


    本論考の思考タイプは,「Transzendental (超越論的)」の部類に入る。

    Transzendental とは?
    いま,ヒト,トカゲ,クモ,ゾウリムシの捉えを行うとする。
    このとき,つぎのように座標系を立て,ヒト,トカゲ,クモ,ゾウリムシをこの座標系の中に定位するのは,「Transzendental でない」である:
    ここでは,ヒト,トカゲ,クモ,ゾウリムシが一つの空間の部分空間になっている。
    座標系は,「世界はすべてのものにとって一つ」を表している。

    これに対し,つぎのようにヒト,トカゲ,クモ,ゾウリムシそれぞれに座標系を立てるのは,Transzendental である:
    ここでは,ヒト,トカゲ,クモ,ゾウリムシが互いに独立な空間になっている。
    ヒト,トカゲ,クモ,ゾウリムシそれぞれの座標系は,「世界は個々に対して存る」を表している。

    この絵図では,ヒト,トカゲ,クモ,ゾウリムシの布置を,「世界はすべてのものにとって一つ」の布置とは違うが,やはり行っている。
    この絵図には,布置の主体が隠れている。
    それは,<わたし>である。
    この<わたし>の有り様が,Transzendental のことばの指すものである。

    どうしてTranszendental の言い回しになるのか。
    <わたし>は,からだの無い「目」だからである。
    からだをヒトの空間の中に残してきているものだからである。
    <わたし>は,幽体離脱の様である。


    本論考は,「現前の「数学教育」」ないし「現前の「数学教育学」」を立てる。
    これは,Transzendental へのシフトである。
    そして,数学教育学をつぎのように立てる:
    1. Transzendental の視座から見える世界の論考を,数学教育生態学として立てる。
    2. Transzendental の視座の論考を,数学教育普遍学として立てる。
    3. 二つを合わせて,数学教育学とする。