Up 「数学教育論・数学教育学論」 作成: 2008-08-05
更新: 2015-10-15


    数学教育についての論述には,「数学教育学」,数学教育学に入らないものがある。
    これを「数学教育論」とする。

    数学教育学は,科学である。
    「数学教育学」は,科学を標榜する。
    数学教育論は,科学を標榜しない論考である。

    「科学を標榜しない」は,つぎの場合がある:
    • 内容的に,科学の形になるものではない
    • 科学の形にすることは,自分にはできない
    • 科学の形にするのは,自分にとってしんどい

    科学を標榜することは,「客観的」を標榜することである。
    科学を標榜しないことは,「主観的」を標榜することである。
    数学教育論は,「客観的」を自分の縛りにせず,「主観的」でよしとする論考である。
    アイデアや思想の論述は,数学教育論になる。


    数学教育学についての論述は,「言語レベル」の視点から「メタ数学教育学」ということになり,数学教育学に入らない。
    これを「数学教育学論」とする。
    本テクストは,数学教育学 (数学教育生態学として) の理論構築の論考であり,数学教育学論である。

    もっとも,数学教育を「複雑系」の相で論じようとするとき,この論考は現状では数学教育学論になる。
    数学教育学が理論の枠組づくりもまだ始まっていない状態だからである。


    学会員は,自分がつくる論文がつぎのいずれのカテゴリーに入るかを見定め,この論文の適切な用い方を思案する:
    • 「数学教育学」
    • 数学教育学
    • 数学教育論
    • 数学教育学論