表現技法 : 要旨 作成: 2016-03-10
更新: 2016-03-10


    表現は,写実ではない。
    「存在を相手にぶつける」である。
    この技法が,「表現技法」である。

    「ぶつける」は,力の行為である。
    よって,「表現技法」は,<ダイナミック>の技法である。

    <ダイナミック>の技法の基本は,<白から黒まで使う>である。
    ここでは,論文のつぎの各要素について,<ダイナミック>技法を考える:
      1. 主題
      2. ストーリー


    (1) 主題
    主題の<ダイナミック>の条件として,つぎの3つを挙げる:
      1. 力 (生命力・精神力)
      2. 新しさ


    (2) ストーリー
    論文で,弱さがいちばんはっきり現れるのが,ストーリーである。
    強いストーリーを書く/書けるようになるために,つぎの二つのことが要る:
    • 「肝心は,ストーリー」「ストーリーの弱さ」の概念・意識をもつ
    • 「ストーリー」の形(かた) を知る

    論文には,「ストーリー」を明示する場所がある:
    • 要約,はじめに,おわりに
    • 各章・節・項における,導入のことば
    論文作成では,この場所の記述を最も大事にする。

    弱いストーリーは,構成が成っていない。
    ストーリーの基本形は,「批判」(賢を立てて愚に対する──愚を否定) である。

    但し,「批判」は,あくまでも基本形である。
    「批判」にはつぎの重大な難点がある:
      《「賢・愚」の設定は,無理 (無理矢理) をすること》
    批判 は,単純にやると,「イデオロギー闘争」に往ってしまう。

    ここで,「方法論」の出番となる。
    「方法論」を用いるとは,公理主義をやるということである。
    「賢・愚」の設定にならない。


    (3)
    絵の<白から黒まで使う>のその1は,「断定」である。
    ひとがふつう「思う」と言うところを,敢えて「である」と言う。
    敢えてするわけであるから,これは方法論として行うところとなる。

    <白から黒まで使う>のその2は,「各モジュール (語,文,段落,項,節,章・部) を際立たせる」である。
    手本は,詩である。