系進化の視点からの論文カテゴリー 作成: 2016-03-06
更新: 2016-03-07


    盛者は必衰である。
    <衰>は,憂えることではない。
    実際,<衰>が無ければ,恐ろしいことになる。

    <衰>は,再生(リセット) が起ころうとする相である。
    よって,目出度いことである。

    数学教育学専攻の大学院生の存在理由は,現前の「数学教育学」の継承 (「細胞の新陳代謝」) が専らではない。
    数学教育学専攻の大学院生は,数学教育学が衰退の螺旋に入るとき,数学教育学の再生(リセット) が起こるよう,用意されている存在でもある。


    「論文を書く」は,個々に数学教育学の系の個である。
    個は,運動する個である。
    その運動は,系のいまの動態への正のフィードバックであったり,負のフィードバックであったり,あるいは系の再生(リセット) の芽である。

    系は,このような<運動する個>の逐次均衡相である。
    系は,「自己参照・自己修正」を以て自身の平衡を逐次更新する系であり,その平衡は動的平衡である。
    特に,系が「自己参照・自己修正」を以て自身の平衡を逐次更新しているプロセスが,「系の進化」である。

    数学教育学専攻の大学院生は,自分の「論文を書く」が数学教育学の系の「自己参照・自己修正」の内容であることを,心得るべし。
    自分の「論文を書く」が数学教育学のいまの動態への正のフィードバックであるのか,負のフィードバックであるのか,あるいは系の再生(リセット) の芽であるのかを,つねに意識して居るべし。