Up 数学教育学者──「有識者・伝道者」を役務 作成: 2017-08-01
更新: 2017-08-01


    数学教育は,合理化されねばならない。
    数学教育学者は,数学教育を合理化する役を負う者である。


    合理化は,合理化のための合理化である。
    合理化のための合理化の役を負う者を,「有識者」という。
    職種が「学者」である場合は,「御用学者」という言い方がある。

    合理化のための合理化は,是非を言うことではない。
    合理化のための合理化は,<意味・目的を持たない/失っているが,社会様式・人の生業として定着しており,壊すわけにはいかないもの>を保守する方法である。
    社会は合理化のための合理化を必要とし,これの役を負う者を必要とする。

    「合理化の役を負う」には,つぎの3タイプがある:
    • 合理化のための合理化であることを知っている──確信犯
    • 合理化のための合理化であることを意識できるが,この意識を抑圧している──自己欺瞞
    • 合理化のための合理化であることを知らない──無邪気


    数学教育を合理化することが役回りになる数学教育学者は,その合理化のなかで「数学教育の意義」を説く者になる。
    「合理化の役を負う」の3タイプ──確信犯・自己欺瞞・無邪気──は,そのまま「意義を説く」の3タイプになる。

    一方,<合理化のための合理化をする><意義を説く>は,習い性になる。
    数学教育学者は,<合理化のための合理化をする><意義を説く>を習い性にしていく。
    「数学教育学者」の「学者」の意味がなかなか「科学者」になってくれないのは,この風貌のせいである。