Up ハチに刺されたときの措置
──重症のアレルギー反応を起こさない者の場合
作成: 2019-04-08
更新: 2019-04-08


      松浦誠・大滝倫子・佐々木真爾 (2005), p.236
    痛みだけの場合は短時間で良くなるので、そのまま放置すればよい。
    痛みに引き続いて赤く腫れ始めたら、水で冷やしたり、抗ヒスタミン軟膏を塗るとよい。
    この程度で良くなることが多い
    が、
    さらに腫れが強くなる場合には副腎皮質ホルモン剤外用剤を塗る。
    頸から上を刺されて、腫れが極めて強い場合には、同剤の内服が必要なこともあり、このような場合にはやはり医療機関で受診するべきであろう。
    ここでつけ加えておきたいのはアンモニアによる害である。
    ハチはアリに似ている。アリは蟻酸をだす、蟻酸は酸であり、酸はアルカリで中和すれば無毒となるという考えから、アンモニアがハチ刺されだけでなく虫さされ一般に使われてきた。
    しかしハチ毒には蟻酸はほとんど含まれていないし、アレルギーをおこすもととなる成分は蟻酸ではない、他の酸でもなく蛋白質である。
    したがって、ハチ刺されにアンモニアを塗るということは無意味であるばかりでなく、ときにはアンモニアによる皮膚炎をおこすこともあり、良い方法ではない。


  • 引用文献
    • 松浦誠・大滝倫子・佐々木真爾 (2005) :『蜂刺されの予防と治療──刺す蜂の種類・生態・駆除、蜂刺され対策と医療』, 林業・木材製造業労働災害防止協会, 2005.