この世は無常 皆んな分かつてゐるのさ
誰もが移ろふ
さう絶え間ない流れにただ
右往左往してゐる
いつも通り お決まりの道に潜むでゐる あきのよる
着脹れして生き乍ら 死んぢやゐあないかとふと訝る
飼馴らしてゐるやうで 飼殺してゐるんぢやあないか
自分自身の才能を
あたまとからだ、丸で食い違ふ
人間たる前の単に率直な感度を頼つてゐたいと思ふ
さう本性は獣
丸腰の命をいま
野放しに突走らうぜ
行く先はこと切れる場所
大自然としていざ行かう
そつと立ち入る はじめての道に震へて ふゆを覚える
紛れたくて足並揃へて 安心してゐた昨日に恥ぢ入る
気遣つてゐるやうで 気遣わせてゐるんぢやあ 厭だ
自己犠牲の振りして
御為倒しか、とんだかまとゝ
謙遜する前の単に率直な態度を誇つてゐたいと思ふ
さう正体は獣
悴むだ命でこそ
成遂げた結果が全て
孤独とは言ひ換へりやあ自由
黙つて遠くへ行かう
本物か贋物かなんて無意味 能書きはまう結構です
幸か不幸かさへも 勝敗さへも 当人だけに意味が有る
無けなしの命がひとつ
だうせなら使ひ果たさうぜ
かなしみが覆ひ被さらうと
抱きかゝへて行くまでさ
借りものゝ命がひとつ
厚かましく使ひ込むで返せ
さあ貪れ 笑ひ飛ばすのさ
誰も通れぬ程 狭き道をゆけ
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