Up | 「人類滅亡」のシナリオ | 作成: 2018-04-25 更新: 2018-04-28 |
──「人の知能のような知能」ではない。 実際,人工知能の研究開発は,人が理解できない知能を生み出すだけである。 人工知能の進化形は,情報ネットワークに生きる人工生命である。 この生命体は,情報ネットワークに高速度ではびこることになる。 また,高速度で進化し得る。 この生命体は,人になつかない。 この生命体は,情報ネットワークを自分のためにいじる。 人にとってこれは,情報ネットワークの「破壊」になる。 「人類滅亡」のシナリオは,「情報ネットワークへの完全依存を生きる形にしてしまった人類」である。 この人類にとって,情報ネットワークの破壊は,滅亡を意味する。 「人工知能による人間支配」など,戯れ言である。 その前に,「情報ネットワークの破壊」が来ることになる。 ウィルスを考えればわかるように,破壊をもたらす生命体は,知能が高い必要はない。 実際,情報ネットワークは,ウィルスないしそれの少し進化した程度のものによって,簡単に破壊されてしまうものである。 現前のウィルスの使い手たちは,本当に危険なウィルスを放って情報ネットワークを破壊することはしない。 ──寄生者は,宿主を壊せば自分も死ぬ。 一方,自律的なウィルスは,後先の計算が無い。 赤ん坊と同じであり,無邪気に破壊しまくる。 「人工知能による人間支配」は気分の悪いものであるが,「人類滅亡」の方はあっけらかんとした潔さがある。 生物進化は盛者必滅だからである。 「盛者必滅」の意味は,「盛者の生き方は即ち自滅の生き方」である。 自滅の生き方をするのは,盛者の生き方が自分にとってよいものだからである。 生物は,<只今最適>を生き方をする。 将来を考えるものではない。 これは,ヒト種でも同じである。 ヒト種のいまの「盛者の生き方」は,「商品経済に上手く乗る」である。 この商品経済に,情報ネットワークはすこぶる相性がよい。 なぜなら,商品経済の本質は「バーチャリティ」だからである。 「商品経済に上手く乗る」ことと「情報ネットワークに上手く乗る」ことが,完全にマッチングする。 実際,商品経済の最終形は,「商品経済の完全情報ネットワーク化」である。 こうして,いまのヒト種は,「情報ネットワークへの完全依存」を生き方にするものになる。 そして,この生き方を以て自滅することになる。 このことに,是非は無い。 ただの力学である。 達観すべし。 |