Up 法治が,既に AI 統治 作成: 2024-07-05
更新: 2024-07-05


    人が人を支配する統治は,王政である。
    ──人を支配する人を,「王」と謂う。

    王統治の否定は,代議員制である。
    しかしこれは,衆愚政治になる。
    代議員制が衆愚政治になるのはしかたがない。
    人間はもともと,賢さを期待するようなものではない。

    実際,代議員制を無力化している国は多い。
    代議員制を信条とする国は,それらを「独裁国家」と呼ぶ。
    しかし「独裁国家」では,独裁は「衆愚をリードする能力のある者による統治」の意味になる。
    <衆愚をリードする能力のある者=王>の統治なのである。


    法治は,王と衆愚の両極を見て,ひとが択った方法である。
    法は,artificial intelligence である。
    ひとは「AI による人間支配」を否定しているつもりでいるが,ひとはもともと,人間による人間支配を否定して AI による人間支配を望むようになっている。

    ひとはじきに,いまの AI に法機能を求めるようになる。
    そして「AI 支配」の新たなステージに進む。


    ひとは,「人間が法をつくる」のロジックで,法の上に人間があると思いたい。
    しかし,AI も人間がつくっているのである。
    人間が法をつくっているから法の上に人間があるというなら,AI の上に人間があることになる。
    しかしひとは,AI に関しては「AI に人間が支配される」と懼れる。

    なぜその思いになるかというと,この AI は生成AI (自己組織化する AI) であり,得体の知れないものだからである。
    ひとは,AI が課題をうまく処理するので,生活を「AI に頼る生活」へどんどんシフトしている。
    しかし,AI がなぜ課題をうまく処理しているのかは,AI の開発者にもさっぱりわからない。


    それでも,ひとは AI を頼りにするようになる。
    「独裁も衆愚も御免」は,AI を頼りにすることだからである。