「少子化」の一面は,「高齢化」の裏返しである。
高齢者が多いことは,若者のパイの取り分が少ないことである。
そして,高齢者を支える若者の負担が大きいということである。
系は,この不公平を鎮める方向に進化する。
そしてその1つの形が「少子化」というわけである。
高齢者が多くなるのは,老人が死なないからである。
老人が死なないのは,社会を老人の生命維持装置にしたからである。
社会を老人の生命維持装置にしたのは,老人を死なせないことが正義にされたからである。
この社会は,なにかにつけて「老人を守ろう!」が叫ばれる(註1)。
「老人を守ろう!」を正義にし立てているものは,「老人を守ろう!」商売である。
老人の多いことを頼みにしている商売である。
いまの医事薬事産業は,老人が多いことで成り立っている。
新聞や NHK もそうである(註2)。
そしてこの商売が,ロジックとして,「少子化」を牽引することになる。
註1 : |
「老人を守ろう!」は,正義の押し売りである。
実際,うまく死ねそうなときに「老人を守ろう!」でストップをかけられたら,それはただの迷惑である。
ひとは,どんなふうに死ねたらよいかを,一度は考える。
そして,あっさり死ぬのをベストとする。
老人だったら,暑さに感覚麻痺しているので,熱中症はありがたい死に方の1つになる。
歳をとって体が弱るのは,体がこれを欲しているのである。
体は,死のうとしている。
これに抗って「老人を守ろう!で生かされ続けることは,酷い死に方を取らされるということである。
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註2: |
新聞の凋落──新聞は,若者を取り込めず,老人のメディアになっている。
つぎは,新聞の発行部数の推移 (2000年前後にピーク):
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みやてう「新聞についてまとめてみた」 から抜粋して引用
年度 | 読売新聞 | 朝日新聞 | 毎日新聞 | 日本経済新聞 | 産経新聞 |
1970 | 5,511,600 | 5,994,494 | 4,666,692 | 1,282,437 | 2,024,863 |
1975 | 6,690,246 | 6,853,045 | 4,407,566 | 1,644,735 | 1,963,547 |
1980 | 8,475,175 | 7,394,817 | 4,564,752 | 1,850,297 | 1,960,381 |
1985 | 8,852,610 | 7,533,727 | 4,203,657 | 2,126,182 | 2,001,219 |
1990 | 9,805,480 | 8,191,226 | 4,190,744 | 2,911,454 | 2,065,372 |
1995 | 10,050,000 | 8,252,000 | 3,990,000 | 2,869,000 | 1,922,000 |
2000 | 10,224,066 | 8,322,046 | 3,976,357 | 3,044,214 | 1,997,702 |
2005 | 10,082,425 | 8,225,032 | 3,955,882 | 3,027,385 | 2,159,695 |
2010 | 10,016,735 | 7,955,595 | 3,593,867 | 3,032,703 | 1,633,219 |
2015 | 9,124,189 | 6,797,693 | 3,278,625 | 2,736,381 | 1,614,516 |
2020 | 7,762,303 | 5,214,288 | 2,300,248 | 2,210,304 | 1,342,488 |
2021年 | 読売新聞 | 朝日新聞 | 毎日新聞 | 日本経済新聞 | 産経新聞 |
3月 | 7,154,983 | 4,755,806 | 2,009,556 | 1,880,341 | 1,216,588 |
5月 | 7,111,343 | 4,714,358 | 2,003,834 | 1,860,086 | 1,191,632 |
6月 | 6,860,222 | 4,298,513 | 1,933,714 | 1,753,877 | 1,026,293 |
2022年 | 読売新聞 | 朝日新聞 | 毎日新聞 | 日本経済新聞 | 産経新聞 |
9月 | 6,677,823 | 3,993,803 | 1,871,693 | 1,702,222 | 1,008,642 |
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