Up 「少子化」は消費スパイラルへのアンチテーゼ : 要旨 作成: 2023-03-19
更新: 2023-03-19


      読売新聞, 2023-03-18
    育休給付 手取りと同額
    男性取得「30年度85%」
    首相表明
     岸田首相は17日、子ども政策をテーマに記者会見を開き、少子化の克服を目指し、育児休業(育休)制度を抜本的に改革する方針を表明した。 産後の一定期間に夫婦ともに育休を取得すれば、休業前の手取りと同程度まで収入を確保できるようにする。 社会全体の意識改革を行うと強調し、「『こどもファースト社会』の実現をあらゆる政策の共通目標とする」と語った。
    ‥‥ 首相は、2022年の出生数が80万人を割り込んだことを踏まえ、「このまま推移すると、わが国の経済社会は縮小し、社会保障制度や地域社会の維持が難しくなる」と述べ、「これから6、7年が少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスだ」と訴えた。‥‥


    商品経済は,消費上昇スパイラル経済である。

    企業には,<利益を増やす>の圧力がかかる。
    利益を増やす直接の方法は,生産の拡大である。
    生産の拡大は,消費の拡大が受け皿になる。
    こうして商品経済では,消費の縮小は許されない。

    しかし消費上昇スパイラルは,無限上昇ではあり得ない。
    自重でいつか倒れることになる。

    実際,倒れねばならない。
    倒れないことは,倒れたときの災禍が壊滅的なものになるということだからである。


    「少子化」は,消費上昇スパイラルに対するアンチテーゼである。
    首相は,まっとうなことを言っているのではない。
    消費上昇スパイラルの危機を訴えるのは,ひとに消費上昇スパイラルは永遠と思わせることである。
    「倒れないことは,倒れたときの災禍が壊滅的なものになる」を見ないように仕向けることである。

    目先のしのぎにだけに懸命になることは,目先のしのぎにさえもならない。
    目先の事象は,独立した事象ではないからである。
    物事は,進化の大きな流れの中にある。


    政治を,洗脳するものにしてはならない。
    政治に「意識改革」を語らせてはならない。
    政治が「意識改革」を語るのは,思い上がり/勘違いである。